太陽光発電システムの所有者が変わる際、名義変更手続きは必須です。しかし、手続きは複雑で、必要書類や費用、流れなど、分からないことが多いのではないでしょうか。
名義変更が必要なケースや、名義変更の流れなど、詳しいことを分からないまま手続きしていると、時間がかかってしまったり、損をしたりするかもしれません。
そこで、この記事では、太陽光発電の名義変更に関するあらゆる情報を徹底的に解説します。名義変更が必要なケースや、名義変更の流れ、かかる費用などまで紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
なお、以下では東京都で太陽光発電の導入を検討している方に向けて当メディアおすすめの施工会社を紹介していますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
太陽光発電の名義変更とは?
太陽光発電の名義変更とは、太陽光発電システムの所有者を変更する手続きのことです。太陽光発電の名義変更をおこなうと、売電収入の受取人や、太陽光発電システムに関する各種手続きの窓口が新しい所有者に変わります。
名義変更を行わないと、売電収入のトラブルや、補助金・税制優遇の取り消しなど、さまざまな不利益が生じるかもしれません。そのため、太陽光発電システムの所有者が変わる場合は、必ず名義変更手続きを行う必要があります。
太陽光発電の名義変更手続きの流れ
まずは、太陽光発電の名義変更手続きの流れを見ていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
電力会社への連絡する
太陽光発電システムの名義を変更する際は、まず契約している電力会社に連絡します。連絡方法は、電話、電力会社のウェブサイト、各支店・営業所窓口などです。
手続き方法は、オンライン、郵送、窓口などがあります。電力会社によって手続き方法が異なりますので、事前に確認しましょう。
電力会社への連絡の際、契約者名義の変更と合わせて、供給地点特定番号の確認も行います。供給地点特定番号は、太陽光発電システムが設置されている場所を特定する番号で、名義変更手続きに必要な情報です。
経済産業局へ事業計画変更届出を出す
FIT制度(固定価格買取制度)を利用している場合、経済産業局へ事業計画変更届出を提出しましょう事業計画変更届出には、変更認定と事後変更届出の2種類があります。
変更認定は、10kW以上の設備、または屋根設置価格が適用されない設備の場合に必要です。事後変更届出は、10kW未満の設備、かつ屋根設置価格が適用される設備の場合に必要です。
手続きは、再生可能エネルギー電子申請システムで行います。書面申請を行う場合は、経済産業局に問い合わせて書類を入手し、必要事項を記入して提出しましょう。
メーカー・保険会社などへ連絡をする
太陽光発電システムのメーカー、施工業者、メンテナンス業者、保険会社などにも名義変更の連絡をします。保証や保険の契約内容が変更になる場合があるからです。連絡方法は、電話、ウェブサイトなどがあります。
上記の手続きを全て完了することで、太陽光発電システムの名義変更が完了です。
太陽光発電名義変更に必要な書類
太陽光発電システムの名義変更には、さまざまな書類が必要です。ここでは、一般的な書類と、ケースによって異なる書類について解説します。一般的に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(新旧所有者それぞれの情報)
- 発行後3ヶ月以内の印鑑証明書(新旧所有者それぞれの情報)
- 売買契約書、譲渡証明書、遺産分割協議書、戸籍謄本、登記事項証明書など
- 電力会社との契約書、売電に関する書類
- 認定通知書、事業計画書
上記以外にも、ケースによって以下の書類が必要になる場合があります。
- 法人の場合:登記簿謄本、会社印鑑証明書
- 相続の場合:遺言書、相続人全員の同意書
- 共有名義の場合:共有者全員の同意書
書類に不備があると、手続きが遅れることがあります。事前に必要書類を全て揃えましょう。
名義変更にかかる費用
次に、名義変更にかかる費用を見ていきます。
それぞれ見ていきましょう。
行政手続き費用など
FIT制度を利用している場合、事業計画変更届出の提出が必要です。この手続きには、経済産業局への手数料がかかります。手数料の金額は、設備の規模や種類によって異なります。
戸籍謄本や印鑑証明書などの書類を取得する費用がかかります。戸籍謄本は、1通あたり450円、印鑑証明書は1通あたり390~450円です。
また、電力会社や経済産業局の窓口に行く際の交通費や書類を郵送する際の郵送費もかかるでしょう。
専門家への依頼費用相場
名義変更手続きを専門家(行政書士など)に依頼する場合、依頼費用がかかります。行政書士への依頼費用は、一般的に数万円程度が目安です。ただし、案件の難易度や依頼する行政書士によって費用は異なります。
専門家に依頼すると、複雑な手続きを代行してくれるため、手続きにかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。一方、自分で手続きを行う場合、費用を抑えられます。
しかし、手続きには時間と手間がかかります。また、専門知識が必要になる場合もあるでしょう。どちらを選ぶべきかは、状況によって異なります。
時間や手間を惜しみたくない場合や、専門知識に自信がない場合は、専門家に依頼するのがおすすめです。費用を抑えたい場合は、自分で手続きを行うのも良いでしょう。
ケース別の名義変更手続き
ここからは、ケース別の名義変更手続きを見ていきましょう。
それぞれ見ていきましょう。
太陽光発電設備の売買による名義変更
太陽光発電設備を売買した場合、買主が新しい所有者です。名義変更手続きは、売買契約書に基づいて行われます。
まず、買主は、電力会社に名義変更の申請をしましょう。電力会社が指定する書類(売買契約書、新旧所有者の本人確認書類など)を準備します。
電力会社の窓口、郵送、またはオンラインで申請を行いましょう。電力会社が審査を行い、承認されると名義が変更されます。
相続による名義変更
所有者が亡くなった場合、相続人が新しい所有者です。名義変更手続きは、遺産分割協議書や遺言書に基づいて行われます。
相続人は、電力会社に名義変更の申請を行います。電力会社が指定する書類(遺産分割協議書、戸籍謄本、相続人全員の同意書など)を準備しましょう。
電力会社の窓口、郵送、またはオンラインで申請し、電力会社が審査を行い、承認されると名義が変更されます。
贈与による名義変更
所有者が太陽光発電設備を贈与した場合、贈与を受けた人が新しい所有者です。名義変更手続きは、贈与契約書に基づいて行われます。
贈与を受けた人は、電力会社に名義変更の申請を行いましょう。電力会社が指定する書類(贈与契約書、新旧所有者の本人確認書類など)を準備します。
電力会社の窓口、郵送、またはオンラインで申請しましょう。電力会社が審査を行い、承認されると名義が変更されます。
法人成り・法人解散に伴う名義変更
法人成りや法人解散に伴い、太陽光発電設備の所有者が法人から個人、または個人から法人へ変更となる場合があります。この場合、名義変更手続きが必要です。
新しい所有者は、電力会社に名義変更の申請しましょう。電力会社が指定する書類(法人登記簿謄本、代表者印鑑証明書など)を準備します。
電力会社の窓口、郵送、またはオンラインで申請しましょう。電力会社が審査を行い、承認されると名義が変更されます。
離婚に伴う名義変更
離婚に伴い、太陽光発電設備の所有者が夫婦どちらかに変更となる場合があります。この場合、名義変更手続きが必要です。
新しい所有者は、電力会社に名義変更の申請を行います。電力会社が指定する書類(離婚協議書、財産分与に関する書類など)を準備しましょう。
電力会社の窓口、郵送、またはオンラインで申請します。電力会社が審査を行い、承認されると名義が変更されます。
名義変更をスムーズに進めるための注意点

太陽光発電システムの名義変更をスムーズに進めるためには、いくつかの注意点があります。電力会社との連携を密にし、指示に従って手続きを進めるようにしましょう。また、経済産業局からの問い合わせには、速やかに対応します。
提出した書類の控えは、保管しておきましょう。電力会社や経済産業局に、手続きの進捗状況を定期的に確認します。その他には、各手続きには期限があることが多いため、期限を確認し、余裕を持って手続きを進めましょう。
手続きの際は、本人確認書類が必要となります。忘れずに準備しましょう。さらに、手数料がかかる場合もあります。事前に確認しておきましょう。
名義変更が遅れると、売電収入のトラブルや、補助金・税制優遇の取り消しなど、さまざまな不利益が生じるかもしれません。不明な点があれば、電力会社や経済産業局に問い合わせをするのがおすすめです。
これらの点に注意することで、太陽光発電システムの名義変更手続きをスムーズに進められるでしょう。
名義変更に関するよくある落とし穴
太陽光発電設備の名義変更では、知らないうちに思わぬ問題に直面することがあります。初めて手続きを行う方が陥りがちな落とし穴を理解しておくことが重要です。
ここでは特に影響の大きい二つの落とし穴について詳しく解説します。
これらのポイントを事前に把握し、適切に対応することで、名義変更による不利益を防ぎましょう。
手続きの遅れが損失につながる
名義変更手続きの遅れは、予想以上の経済的損失を招く可能性があります。特に注意すべきは事業計画認定の変更申請です。
この手続きは通常2〜3ヶ月かかりますが、申請が集中する時期や書類不備があると半年以上待たされることも珍しくありません。その間、売電収入の受取口座変更ができないため、旧所有者に売電収入が支払われ続けることになります。
前所有者と良好な関係が維持できていれば問題ありませんが、関係が悪化した場合や連絡が取れなくなった場合は、その間の売電収入が回収できなくなるリスクがあります。
また、メーカー保証の継続手続きが遅れると、その間に発生した故障が保証対象外となる可能性もあります。
贈与税が発生することも
太陽光発電設備の名義変更で見落としがちなのが税金問題、特に贈与税の存在です。
贈与税は、個人から年間110万円を超える財産をもらった場合に課税される税金です。住宅用太陽光発電システムは設置費用だけでも100万円前後、蓄電池などの付帯設備を含めると容易に基礎控除額を超えてしまいます。
特に親族間での名義変更は「贈与」と見なされるケースが多く、税務署から後日指摘を受けるリスクがあります。
ただし、「緑の贈与」という環境配慮型の設備に対する優遇税制を利用すれば、最大3,000万円まで非課税となります。この制度を活用するには、一定の条件を満たし、適切な手続きが必要です。
名義変更を検討する際は、事前に税理士に相談するか、環境省のガイドラインを確認することをお勧めします。
名義変更をしないことによる3つのリスク
太陽光発電設備の所有者が変わった際に名義変更を怠ると、予想以上の深刻な問題が発生します。特に重要な3つのリスクを理解し、適切な対応をしましょう。
これらのリスクを回避するためにも、名義変更は速やかに行うべきです。
売電収入の受け取りが困難になる
名義変更を行わないと、最も直接的な影響を受けるのが売電収入です。
所有者が変わっても名義変更をしなければ、電力会社は契約者名義の口座に売電収入を振り込み続けます。
前所有者との関係が良好な場合は問題ないかもしれませんが、相続や離婚に伴う名義変更では、後々の金銭トラブルに発展する可能性も高いでしょう。
また、前所有者が亡くなると、口座凍結により売電収入が宙に浮いてしまいます。この状態から正規の名義変更手続きを行うには、相続関係の証明など複雑な追加書類が必要となり、手続きが一層煩雑になります。
さらに、前所有者が破産した場合、売電収入が債権者に差し押さえられる恐れもあります。
保証・メンテナンスの対象外になる
名義変更を怠ると、メーカー保証やメンテナンスサービスが受けられなくなるリスクがあります。多くのメーカーは所有者変更時の届出を義務付けており、これを怠ると保証継続の権利が失われます。
特に太陽光パネルは屋外に設置され、常に自然環境にさらされる設備です。台風や雹害、落雷などによる損傷リスクは決して低くありません。
また、パワーコンディショナーなどの電気機器は経年劣化による故障も起こりやすく、保証なしで修理すると数十万円の費用が発生するケースもあります。
定期点検が受けられないことで、小さな不具合による設備の性能低下を早期に発見できないため、知らぬ間に発電効率が落ち、売電収入が減少するという隠れたリスクも存在します。
トラブル発生時の責任所在が不明確になる
名義変更を行わないと、設備に関連するトラブル発生時の責任所在が曖昧になります。
例えば、太陽光パネルが強風で飛散し、隣家の窓を破損させたケースを考えてみましょう。
名義変更が済んでいなければ、法的には前所有者が責任を問われる可能性があります。しかし実際の所有者と登録上の所有者が異なると、保険適用や賠償責任の所在をめぐって複雑な問題が生じます。
さらに、経産省や自治体からの重要な通知も前所有者に送られるため、設備に関する法規制の変更や点検要請などの重要情報を見逃すリスクもあります。
これが行政処分や罰則につながる可能性も否定できません。
太陽光発電を導入する際は複数会社を比較しよう!
太陽光発電システムの導入は、長期的な視点で見ると大きな投資となります。そのため、導入にあたっては複数の業者を比較検討することが非常に重要です。
複数の業者に見積もりを依頼し、価格だけでなく設置費用、システム内容、業者の実績、担当者の対応、などもしっかり比較検討しましょう。
最低でも3社以上の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。複数の業者に見積もりを依頼することで、それぞれの業者の強みや弱みを把握できるでしょう。
東京都でおすすめの太陽光発電施工会社3選
太陽光発電の新規設置やメンテナンスを検討する際は、信頼できる施工会社選びが重要です。
東京都内には多くの太陽光発電施工会社がありますが、実績や対応力、サポート体制などを総合的に評価し、特におすすめの3社をご紹介します。
それぞれに強みを持つ会社を選びました。ぜひ参考にしてください。
株式会社サンドリア

項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社サンドリア |
所在地 | 東京都千代田区神田錦町2-9 大新ビル3階 |
設立年月日 | 1998年2月13日 |
公式サイト | https://solar.sandoria.link/ |
株式会社サンドリアは、太陽光発電業界で約30年の長い歴史を持つ老舗企業です。2025年に創業30周年を迎え、関東圏内で10,000件以上の施工実績を誇ります。
パナソニックの正規代理店として高品質な製品提供に定評があり、設計から施工、メンテナンスまでを自社で一貫して行うため、一つ一つの工程に責任を持ったサービス提供が可能です。
太陽光発電導入を検討する東京都の方々にとって、実績と安心を重視するなら最有力候補となるでしょう。
株式会社イーステージ

項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社イーステージ |
所在地 | 東京都港区南青山5-10-5 青山ハイツ706 |
電話番号 | 03-6909-0755 |
公式サイト | http://www.photovoltaic.co.jp/ |
株式会社イーステージは、2000年の設立以来、太陽光発電システムの健全な普及に取り組む技術力の高い企業です。
他社では断られがちな難しい形状の屋根や複雑な構造を持つ建物でも、独自の技術と経験で最適な設置方法を提案します。
パナソニック社員への技術指導実績もあり、その専門性は業界内でも高く評価されています。
5つのE(Energy・Evolution・Ecology・Economy・Earth)を企業理念に掲げ、環境保全と経済性の両立を目指しています。
顧客一人ひとりのニーズに寄り添い、住宅用から大規模産業用まで幅広い規模の設備に対応可能です。
以下の記事では、株式会社イーステージの評判や口コミを詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
有限会社金山製作所

項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 有限会社金山製作所 |
所在地 | 東京都墨田区東墨田2-12-20 |
電話番号 | 03-6670-5540 |
公式サイト | https://kanayama-ss.com/ |
有限会社金山製作所は、東京都墨田区に拠点を置く地域密着型の太陽光発電施工会社です。
同社の最大の特徴は、徹底したヒアリングによるオーダーメイド提案です。お客様の住環境や電力使用状況、予算を詳細に把握した上で、最適なシステム設計を行います。
大手にはない柔軟性と、地域特性を熟知した提案力が強みです。
太陽光発電だけでなく、蓄電池やオール電化などの関連設備にも精通しており、総合的なエネルギーソリューションを提供できます。
地域に根ざしたきめ細やかなサポートを求める方におすすめです。
以下の記事では、有限会社金山製作所の評判や口コミを詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
まとめ
今回は、太陽光発電の名義変更について詳しく解説しました。さまざまなケースで、名義変更をする場合があるかもしれません。
ケースによって必要書類が異なる場合もあるため、しっかりと確認しておきましょう。
この記事が、あなたの太陽光発電導入の参考になると幸いです。